喜多郎オフィシャルウェブサイト

喜多郎 (KITARO)
喜多郎は世界でもっとも高い評価を受けている日本人アーティストの一人である。「自然界からインスピレーションを受ける。僕にとって、ある曲は雲であり、またある曲は水である」「音楽によって全世界を体感することが出来る」と語る喜多郎は作曲家・演奏家として自身の生活環境の体験から、自然の雄大さ、荒々しさ、暖かさ、冷たさなど、様々な感情を授かり、 その美しく独創的、イマジネティブな音楽世界は多くの人々に親しまれている。

シンセサイザーとの出会い
1970年代はじめ、喜多郎は『ファーイースト・ファミリーバンド』のメンバーとして訪れたヨーロッパで、ドイツのシンセサイザー奏者クラウスシュルツと出会う。シンセサイザーにすっかり魅了された喜多郎は帰国後、自分の音楽とシンセサイザーの接点を見いだした。

ソロ「喜多郎」として
1978年、ソロとして活動を開始し、初のアルバム「天界」をリリース。79年には「大地」「OASIS」を発表する。1980年、NHK制作のドキュメンタリー番組NHK特集「シルクロード」の音楽を担当し、その感動的なテーマ曲は喜多郎の代表作の一つとなった。同年発売されたアルバム「シルクロード・絲綢之路」「シルクロード・絲綢之路II」、パルコ劇場でのライブ録音「イン・パースン」は人気を集め、喜多郎の名が日本中に知られるようになる。1981年、アルバム「敦煌」さらに「氣」を発表。1982年には東映アニメ「1000年女王」のサウンドトラックを手がけ、初の全国ツアー--30都市--を行なう。1984年にはアジアツアーを行ない、喜多郎は台湾と中国で演奏した最初の日本人ミュージシャンとなる。

喜多郎、世界へ
1985年、米国ゲフィンレコードから6枚のアルバムがリリースされると喜多郎の世界に魅せられるファンが世界で急増する。1986年、ゲフィンレコードと全世界の独占契約を結び、アルバム「天空」を発表。1987年、尊敬する『グレートフルデッド』のパーカッション奏者、ミッキー・ハートとの共同プロデュースによるアルバム「ザ・ライト・オブ・ザ・スピリット」を発表。テーマを"生命・死・そして復活"とし、アルバム「天空」から始まる喜多郎の生命サイクルに対する音楽的探求の表れであった。アルバム発表後、コロンバスのオハイオ・シアターを皮切りに日本人初の全米ツアー--25都市31公演--を行い、ニューヨーク、シカゴ、ボストン、ロサンゼルスをはじめ、多くの都市でチケットが完売を記録、大成功を収める。また、初めてアルバムと連動した同名のビデオ「ザ・ライト・オブ・ザ・スピリット」も発表する。
1988年には同アルバムからの楽曲"ザ・フィールド"でグラミー賞"ベスト・ニューエイジ・パフォーマンス"にノミネートされる。同年、自身による初のベストアルバム「10イヤーズ/The Best of 10 YEARS」を発表する。 1989年2月よりヨーロッパ・ツアー--15都市16公演--、さらに9月からは"Kitaro Live World Tour"を行い、北アメリカ、ヨーロッパ、日本と全52都市計55公演を行い、総動員数20万人を記録。

日本の心と世界の心、ひとつに
1990年、日本古来の物語と世界に伝わる伝説との融合を試みた雄大なコンセプトアルバム「古事記」を発表。米国ビルボード誌のニューエイジ部門アルバム・チャートで日本人初の8週連続第1位を獲得し、アメリカでの人気が不動のものとなる。同年、米国コロラド州に移住。アルバム発表後のワールド・ツアーでは「古事記」をダイナミックに展開し、そのコンサート模様は、翌1991年にアルバム「Live in America」及びビデオ「KOJIKI : A Story in Concert」として発表される。また「古事記」はグラミー賞ベスト・ニューエイジ・アルバムにノミネートされる。
1993年、オリバー・ストーン監督作品映画「天と地--Heaven and Earth--」の音楽監督を務め、同名のサウンドトラック・アルバムを発表。翌年第51回ゴールデングローブ賞、作曲賞を受賞する。また、1993年に発表したアルバム「ドリーム」で、ロック・グループ『イエス』のヴォーカリスト、ジョン・アンダーソンと共演。同アルバムで喜多郎は3 度目のグラミー賞ノミネートを果たす。
1994年、喜多郎はドーモレコードと契約、アルバム「Mandala」を発表。この作品は、生活、レコーディング、そしてツアーと、活動の場をアメリカに求めてきた喜多郎のアーティストとしての評価を一層高める。1995年に発表したアルバム「an enchanted evening--天空への響き」そして同名のライブ・ビデオは2年連続のグラミー賞ノミネートとなる。1996年、クリスマス・アルバム「Peace on Earth」を発表。
1997年、喜多郎はブロードウェイ演劇のテクニックと幻想的なストーリーが織り成すユニークなサーカス--ミュージカル「CIRQUE INGENIEUX」の音楽を手がけ、同名のオリジナルスコア・アルバムを発表。また、メイベル・チャン監督作品、映画「宋家の三姉妹」の音楽を手がけ、香港の金像奨、及び台湾の金馬奨で最優秀オリジナル音楽賞を受賞。
1998年、喜多郎は長野県の祭り"御柱祭り"で、その木遣り唄を主題にしたアルバム「GAIA-ONBASHIRA」を発表。同年NHK番組「四国八十八か所」の音楽を担当。同年のアジアツアーでは「古事記」収録曲"饗宴"が女性を中心とした若者たちからの人気を集め、新しいファン層を広げる。「GAIA-ONBASHIRA」で6度目のグラミー賞ノミネートを果たす。

そしてグラミー賞獲得・・・
1999年、喜多郎は後にグラミー賞を獲得するアルバム「Thinking of you」を完成。春には"Kitaro 1999 New Millennium World Tour in U.S.A."を行なう。 2000年4月、喜多郎は世界環境会議において、国際環境議員連盟--GLOBE--国連が認めた唯一国会議員のためのNGO組織--より、グローブカウンシルの一員に迎えられ、国際環境アーティストとしての役割を担う。7月にはNHK開局75周年記念番組「四大文明」の音楽を手がけ、そのテーマ曲"母なる大河"においてカウンター・テナーのスラヴァと共演。同楽曲を含むサウンドトラック「Ancient」を発表、その後東南アジアツアーを行なう。また、玉野黄市とハルピン派による幻想的な創作舞踊と喜多郎の神秘的な音楽の共演が斬新だった新潟県清水園でのコンサートの映像作品「TAMAYURA」を発表する。
2001年1月「四大文明」関連のアルバム「永遠の時を--An Ancient Journey」を発表。喜多郎は日本では6年振りとなる本格的なコンサートツアー"Sound Odyssey 2001--featuring ANCIENT--"を行なう。同年2月、アルバム「Thinking of you」で第43回グラミー賞ベスト・ニューエイジ・アルバム賞を受賞。5月、グラミー賞受賞記念盤として2枚組アルバム「KITARO」を発表する。そして、自身の原点とも言えるシルクロードを振り返ることを宣言し、同年8月、そのスタートとして、奈良薬師寺玄奘三蔵院伽藍にてコンサートを行う。 2001年1月、アルバム「Ancient」で 8回目のグラミー賞ノミネートを果たす。 同年10月日中国交回復30周年記念コンサートを北京天覧館劇場で開催。 2003年1月、アルバム「永遠の時を--An Ancient Journey」で3年連続,9回目のグラミー賞ノミネートを果たす。

空海の旅
2001年9月11日、喜多郎はアメリカへ戻るために乗っていた飛行機がハワイへ緊急着陸。同時多発テロが発生し自分もそこに居合わせたひとりであることを知る。 同時多発テロを巡るさまざまな情報が錯綜する中で、『音楽家としてこの混沌とした社会の平和のために貢献できることとは』、こう問いかけるプロセスの中で子供の頃、毎日のように耳にしていた鐘の音を思い出す。また、数年前にNHKで四国遍路八十八ヶ所を巡るお遍路さんの取材をしたとき、鐘の響きが長い遍路旅をするお遍路さんの表情を和らげたことを思い出した。 これをきっかけに四国八十八ヶ所の鐘の音を録音、音楽モティーフとし、平和へ向けた祈りを大きなテーマとした全88曲の音楽を制作するプロジェクトを始めることを決意した。 そして、2003年に「空海の旅(Sacred Journey of Ku-Kai)」をリリース。2005年2月には「空海の旅2(Sacred Journey of Ku-Kai 2)」をリリースし、第48回グラミー賞にノミネートされる。2007年には、「空海の旅3(Sacred Journey of Ku-Kai3)」が第50回グラミー賞にノミネートされ、喜多郎は日本人として快挙となるグラミー賞12度目のノミネーションを果たす。 喜多郎は現在も鐘の音の録音を続け、このプロジェクトをライフワークと称し88番寺までの曲の完成を目指す。

2006年・・・
2006年2月1日、喜多郎のワールド・ツアーのキーボーディストであり、喜多郎の妻であるKeikoとのコラボレーションで制作された「Spiritual Garden」をリリース。また、同年11月には「The Essential Kitaro」をリリース。DVD付属のこのアルバムは、喜多郎の代表作から選りすぐりの曲を収録したベストセレクトアルバム。更に2007年11月には「The Definitive Collection」をリリースと、立て続けにベストアルバムを発表した。

コラボレーション
2007年、中国映画の巨匠チャン・イーモウ監督(代表作「Hero」「LOVERS」)が手掛ける一大スペクタクルショー「 Impressions of the West Lake」が開演、喜多郎が音楽を担当する。中国浙江省の省都・杭州の巨大な湖をステージは約2.6平方キロメートルに及び、出演者は300人を超える。美しいステージと喜多郎の幻想的な音楽が調和、上演以来各方面より絶賛を浴びている。このショーの為に書き下ろされたオリジナルサウンドトラック「Impressions of the West Lake」が2009年4月にリリースされた。 また、すずきじゅんいち監督による日系史ドキュメンタリー映画「Toyo's Camera –Japanese American History during WWII-」、「442-Live with Honor, Die with Dignity-」へも楽曲を提供。オリジナルサウンドトラック「Toyo's Camera 」(2009年)、「442」(2010年)、また映画442の中から重要なシーンのインタビューを収録した「442 Kitaro's Story Scape」(2010年)をリリース。2012年には日系アメリカ人の歴史を描いた映画「MIS-Human Secret Weapon」に楽曲を提供した。

Love & Peace
2007年以降喜多郎は"Love and Peace World Tour"と題された世界ツアーもスタートさせた。2009年以降はツアータイトルを"Love and Peace Planet Music Tour"と改め、愛と平和をテーマに公演を重ね、世界中のファンを魅了している。 2009年には喜多郎は更に活躍の場を増やし、世界中の様々なイベントへも参加してゆく。同年6月にアメリカ・カリフォルニア州の巨大音楽フェス Harmony Festival、9月奈良の平城遷都1300年祭の記念コンサート、10月には香港のシルクロード記念イベントSilk Road Art Festivalと立て続けに出演。また、東京と名古屋では数年ぶりとなる単独日本公演も果たした。さらに最新作「Impressions Of The West Lake」で 第52回グラミー賞にノミネート。 その後も喜多郎は世界中を回り、2010年3月にシンガポールで、4月にメキシコ・サカテカス市のZacatecas Cultural Festivalで公演。さらに、メキシコ公演二日後には、日本の諏訪で7年に1度開催される日本の三大奇祭の一つ諏訪大社御柱祭」へ参加 。御柱祭初のオフィシャルアーティストとして、神木へ太鼓を奉納し敬意と祷りを捧げた。そして9月には、喜多郎のライフワーともいえる空海の旅プロジェクトの最新作「空海の旅4(Sacred Journey of Ku-Kai 4)」をリリース。のちに本作品で自身14回目となるグラミー賞ノミネートを果たす。さらに中国の西安市で国家遺産記念公園のオープニングセレモニーに出演、10月には名古屋で開かれた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)でステージプログラムのフィナーレを飾り、"地球のリズム、宇宙からのメッセージ"をテーマに、「千人太鼓」で一般参加者千人と共に太鼓を打ち鳴らした。  2011年の3月から4月にかけ"The Silk Road – East & West"と題したアジアツアーを敢行。タイ、香港、ジャカルタ、シンガポール、マレーシアを回り、延べ4万人以上の観客を動員。また、カリフォルニア州マウンテンビューで行われた脱原発チャリティーイベントMUSEへジャクソン・ブラウン、ドゥービー・ブラザーズ、Jason Mraz(ジェイソン・ムラーズ)等と共に参加、日米両メディアの注目を集める。 2012年喜多郎は南米ウルグアイでInternational Farosor Festivalへ参加、2公演を行う。

更なる挑戦
2012年9月、かねてより交流の深い米国先住民の伝説的活動家Dennis Banks(デニス・バンクス)とのコラボレーション作品「Let Mother Earth Speak」をリリース、平和への願いを込めた渾身の作品で新境地を開拓する。

2013年リリースした「Final Call」は、自然への尊敬と敬意を表し、いつかすべての生物が調和して生きて行けるようにと願った渾身の一作。この作品で、快挙となるグラミー賞15度目のノミネーションを果たす。
前作は、2014年8月リリースのシンフォニック・ワールド・ツアーを収録したライブアルバム、 “シンフォニック・ライブ・イン・イスタンブール”。

そして今作“空海の旅5”が、第60回グラミー賞にノミネートされ、 喜多郎作品のグラミー賞ノミネート回数は、16回を数える。